こんにちは、明俊です。
初夏到来!
まばゆい青空に元気いっぱいに泳ぐ姿がなんとも言えません。
屋根よりも高い鯉のぼりを見ることは、近頃では見られなくなりましたが・・・
実はその昔、
徳純院には大きな鯉のぼりと武者のぼりがありましたので、毎年この季節になると倉庫から出してきて揚げるのですが、その準備が意外と大掛かり!
まず、境内から真っ直ぐに伸びた竹(15m弱くらい)を2本選んで切り出して、
丁寧に枝打ちをしてからその先端に鯉のぼり用には回転球(駕籠車)矢車を取り付けて
武者のぼりのほうも先端に回転球やクルリと呼ばれる器具を取り付けたら、おとな7-8人がかりでえっちらほっちら立てるのです。
竹竿を立てたり下ろしたりはシーズンの最初と最後の一回ずつですが、
矢車や回転球などを落として壊さないようにして背の高い竹を立てたり倒したりするのは
ハラハラどきどきでした。
鯉のぼりや武者のぼりは男の子の健やかな成長を願って揚げるものなのですが、
その由来は中国の故事
『登竜門』と言われます。
中国の山奥には登り切ると竜になれるという大きくて急流の「竜門」という滝があったそうです。たくさんの魚が竜になることを目指しこの滝に登ろうとしましたが登り切る魚はいませんでした。
そんな中、立派に登り切った魚こそ、鯉だったのです
鯉は竜門を登り切ると竜になって天に昇って行きました
普通の魚であった鯉が皇帝の象徴とも考えられる竜になったというのは立身出世を想像させることから、家門繁栄や出世をねがう人々の縁起物となり『鯉のぼりの誕生』
へと繋がりました、また鯉が清流だけなくの沼や池などでも逞しく生きることができるように、どんな境遇や困難、苦難を乗り越えられるようにとの思いも込められました。
江戸時代に登場した「鯉のぼり」ですが
実はずーっと「黒い真鯉」だけでした。「
赤い緋鯉」が登場したのは明治以降から。緋鯉の登場で「真鯉は父親」、「緋鯉は子供」を見立てた歌も歌われるようになりました。現在のような「カラフルな鯉のぼり」は戦後から。
東京五輪の五輪マークから着想をえた職人さんがカラフルな鯉のぼりを考案して「黒い真鯉は父」「赤い緋鯉は母」「青は長男」「緑は次男」「ピンクは長女」などと家族を表すようになってゆきました。
カラフルと言えば鯉のぼりの一番上にある
「五色の吹き流し」は魔除けのために飾ります、
五色の「青は木」「赤は火」「黄は土」「白は金」「黒は水」と「五行説」という古来の(自然)哲学や易学などの基づく意味合いなどを持ちます。
さらに竿柱の上にある「矢車は魔を射る」、
「回転球は神様に男児がいることを知らせる」などの意味合いがあります。
実は五色と言えばお寺でも大法要などの大切な行事のときには「五色幕」を揚げます。
もちろん徳純院でも揚げます。
五色は「青はお釈迦さまの髪・落ち着いた心」「黄は身体・動じない姿」「赤はお釈迦さまの血液・常に精進」「白は歯・清浄心」「紫は袈裟・何事にも堪え忍ぶ」、お釈迦さまのお姿や仏教の教えなどを表しています。
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