皆様こんにちは慈観です。
まずは先月のお盆供養会、本当に多くの皆様にお参りいただき、誠にありがとうございました。
ご先祖様や亡き大切な方々を偲び、手を合わせる皆様のお姿に、私自身も改めて「お盆」という時間の大切さを感じさせていただきました。
さて先日、東京国立博物館で開催されていた「空海と真言の名宝」を観覧してまいりました。
平日ならば、比較的ゆっくり観覧出来るのではないかと思っていたのですが、会場に到着して驚きました。
なんと!
平日にもかかわらず20分待ち。

「空海人気は、今も凄いな!」と驚くと同時に、これだけ多くの方が空海や真言密教の世界に関心を持っていることを、とても嬉しく感じました。
では、空海とは一体どのような人物だったのでしょうか。
空海は774年讃岐国、現在の香川県に生まれました。
後に中国へ渡り、唐の都・長安で密教を学び、帰国後に日本へ真言密教を広めた人物です。
高野山を開き、また京都の東寺を真言密教の根本道場として整え、多くの人々に仏の教えを伝えました。
そして空海は、単に仏教の教えを説いただけの僧侶ではありません。
書にも秀で、文学や教育にも力を注ぎ、社会のために様々な活動を行った人物でした。
まさに「僧侶」という一言では収まりきれないほど、多方面に才能を発揮した人物だったのです。
今回の展示では、空海ゆかりの貴重な仏像や仏画、経典などを間近に拝見することが出来ました。
長い年月を経た仏像や仏画を目にすると、「これは千年以上も前の人々が、仏様への思いを込めて生み出したものなのだ」と、その歴史の重みに圧倒されました。
そして、最後の展示室で特に印象に残ったのが、五智如来(ごちにょらい)と愛染明王(あいぜんみょうおう)でした。
この場所では、なんと写真撮影とSNSへの投稿が許可されていたのです。
それまでの展示とは少し違い、スマートフォンを手に写真を撮る方の姿も多く見られました。
私も思わず写真を撮らせていただきました。

【 五智如来坐像 】
五智如来は、仏様の智慧(ちえ)を五つの姿で表したものです。
1. ありのままに見る智慧
2. 分け隔てなく見る智慧
3. 相手をよく知る智慧
4. 人のために行動する智慧
5. そして1-4を全て包み込む、大きな智慧
日々の生活の中で、迷いや悩みを智慧に変えながら生きていくことの大切さを教えて下さっています。

【 愛染明王坐像 】
そして愛染明王は、愛欲や煩悩をただ否定するだけではなく、それさえも仏道へと転じて行く力を示す仏様です。
人には、喜びもあれば、悲しみもあります。
欲もあれば、迷いもあります。
そうした人間のありのままの姿を受け止めながら、そこから仏の智慧へと歩んで行く。
そこに、空海が伝えた真言密教の奥深さがあるのではないでしょうか。
今回、実際の仏様や名宝を目の前にして感じたのは、空海という人物が、千年以上の時を越えて、今も私たちに問いかけ続けているということでした。
だからこそ、平日にもかかわらず20分待ちになるほど、多くの人が空海の世界に惹かれているのかもしれません。
「空海の真髄」とは、単に貴重な仏像や文化財を観ることではなく、そこに込められた「人はどう生きるのか」「迷いをどう智慧へ変えて行くのか」という仏教の問いに触れることなのかもしれません。
今回の観覧を通じて、私自身も改めて仏教を伝えることの意味を考えさせていただきました。
さて、これから秋の声が聞こえ始めると、次はお彼岸の季節です。
徳純院では、9/20―9/26の期間、秋季彼岸供養会を実施致します。
お彼岸はお盆と同様、ご先祖様や亡き大切な方々を偲び、手を合わせ、感謝の気持ちを伝える大切な時です。
しかし、お彼岸はそれだけではありません。
今を生きる私達自身が、仏様の教えに耳を傾け、自分自身の生き方を見つめ直し、その教えを日々の生活の中で実践していく時でもあります。
「どう生きれば、心穏やかに過ごせるのか」
「人とのご縁を、どのように大切にしていけばよいのか」
そうしたことを、少し立ち止まって考える時間も、お彼岸の大切な意味の一つではないでしょうか。
この秋のお彼岸が、皆様にとりまして、ご先祖様を偲ぶとともに、ご自身の心と向き合う大切なひとときとなれば嬉しく思います。
皆様のご参列を心よりお待ちしております。
次回をお楽しみに
合掌
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